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 知人からの相談

 
最近、知人が家を建てるということで数回の相談を受けています。先日は住宅展示場に行ったと報告を受け、色々な質問があった中で気になったことをいくつか紹介しようと思います。参考にしてみてください。
 
<オリジナル工法の建物本体構造について>
住宅展示場では2社見学したそうです。1社は木造在来工法で、もう1社は鉄骨オリジナル工法だとのこと。
小生の事務所でもSE構法( 「SE構法とは」で解説)を採用することがあります。集成材と専用金物を用い、構造計算をすることにより耐震性を担保するという優れた構法です。
ハウスメーカーの中にも何社か建物本体にオリジナル構法を採用している会社がありますね。主に耐震性の向上を目的にしているのですが、メリットとデメリットがあります。
 
メリットは当然、耐震性の向上です。SE構法の場合は認定施工会社と認定施工管理士、認定設計者による設計と施工により耐震性を保証します。他社も同様に性能を発揮するために様々な工夫をしています。
デメリットは構造部分のコスト高でしょうか。SE構法の場合は一般的な在来工法に比べて1.5倍以上のコスト高となります。また、リフォームの際にも同構法による必要性があります。SE構法の場合は認定施工会社が多くあるため、リフォームを依頼できる会社も比較的自由に選ぶことができますが、在来工法と比べるとやはり自由度に制約が生じるように感じています。
 
ちなみに木造在来工法でも耐震性の高い住まいを造ることは可能で、小生宅も木造在来工法の3階建てで耐震等級は3を確保しています。
オリジナル工法については優れた点と工事費、メンテナンス性、リフォームの仕方など、総合的に判断して決める必要があると思います。
 
 
<オリジナル工法の防水について>
ベランダや屋上の防水もオプションで特殊な金属防水を採用できるそうです。防火性と耐久性が売りであると説明を受けたそうですが、木造住宅の防水で一般的に普及しているのはFRP防水やウレタン塗布防水です。
FRP防水の場合は、下地の合板やセメント板にプライマー(下地とFRPの馴染みをよくする塗布剤)を塗り、ガラス繊維の補強材を敷設した上からプラスチック樹脂を塗布していきます。小型船から大型の掃海艇に採用されていることから、強靭であることは想像が付くと思います。信頼性が高く施工できる会社も多くあり、比較的安価な防水です。
 
金属防水は採用を検討したことがありますが、デメリットも考える必要があります。
まずはやはりコスト高でしょう。メンテナンスでもFRP防水の方が優れていると考えています。FRP防水の場合は施工会社も多く、防水自体が割れたりした場合は目視で簡単に発見でき上から塗り増しすることで改修可能ですが、金属防水の場合は漏水箇所の特定が困難な場合があり、上から簡単に塗って改修するという処置は出来ません。屋上のプランが複雑な形の場合もあまり向きません。
 
広く普及しているのには理由があります。汎用性が高くメンテナンスしやすい工法は、優れた点が多くメリットも多いと思います。
 
 
<オリジナルキッチンについて>
キッチンは某メーカーを採用し、扉の面材についてはそのハウスメーカーのオリジナル色(4色)を採用しているそうです。
建て主さんが気に入ればとても良いことですが、どちらかといえばハウスメーカー側のメリットが多い(オリジナル性のアピール、大量発注によるコスト減、選定すべき色の種類(通常は数十種類あります)を減らせることでコーディネートしやすい)ように感じます・・・。
 
 
<坪単価について> 
そのハウスメーカーのショールームの建築費を坪単価で計算すると70万円だそうです。建築費を聞く場合は、坪単価の他に建物の単価を算出するために根拠となった建物の施工床面積と工事費総額を聞いてください。
坪単価70万円には建物本体の工事費しか入っていない可能性があります。実際には下記のような費用も掛かり、それは当然建て主さんが工事費として負担することになります。後で予算的なトラブルにならないようしっかり確認する必要があります。
 
◆ 仮設費 ⇒ 足場、仮設トイレ、廃材処分、引渡し時のクリーニングなど
◆ 設備費 ⇒ エアコン、照明等、後から設置できるものは別途工事の場合があります
◆ ガス、給排水設備、電気の引き込み等、屋外部分は調査後別途見積・請求の場合があります
◆ カーテン、ブラインド等の設置費
◆ 杭 ⇒ 地盤条件により杭が必要な場合があります
◆ オプション工事 ⇒ 網戸、シャッター等は通常サッシ(窓)と一体のものです
            床のコーティング他、特殊工事などは無いか確認しましょう
            (ちなみに無垢フローリングの場合は上記コーティングは必要無し)
◆ 建物登記費用 ⇒ ローン手続きに関連し、建物の登記費用がかかります ※1 ※3
◆ 測量費 ⇒ 測量図が無い場合は敷地の現況測量を行います ※2 ※3
◆ 設計費 ⇒ ハウスメーカーでも設計費がかかります ※3
◆ 調査・プランニング費用 ⇒ 敷地調査、プランニングに数十万円の費用が掛る事があります ※3
◆ 外構費 ⇒ 敷地周囲の塀やアプローチのコンクリート、砂利敷工事など ※3
 
※1 提携している土地家屋調査士による場合が多く、割高なケースがあります
※2 通常30坪程度の敷地で見通しがよければ10~15万円程度ですが、手数料を上乗せし倍程度の請求があることあります
※3 建物の坪単価に参入する必要はありませんが、別途かかるものです
 
 
余談ですが、エレベーターを設置予定だそうです。プランを見ると幅・奥行共に1.82mとなっていました。以前手がけた住宅と同じサイズのエレベーターなので、幅・奥行共に1.5mで済むはずです。
ハウスメーカーそれぞれに規格があるので細かい寸法調整が出来ないのかもしれませんが、狭い廊下やホールを30cm広くできればだいぶ印象が違うと思います。寸法調整できないか確認してもらうことにしました。
  
2017.06.26

知人からの相談


最近、知人が家を建てるということで数回の相談を受けています。先日は住宅展示場に行ったと報告を受け、色々な質問があった中で気になったことをいくつか紹介しようと思います。参考にしてみてください。
 
<オリジナル工法の建物本体構造について>
住宅展示場では2社見学したそうです。1社は木造在来工法で、もう1社は鉄骨オリジナル工法だとのこと。
小生の事務所でもSE構法(「SE構法とは」で解説)を採用することがあります。集成材と専用金物を用い、構造計算をすることにより耐震性を担保するという優れた構法です。
ハウスメーカーの中にも何社か建物本体にオリジナル構法を採用している会社がありますね。主に耐震性の向上を目的にしているのですが、メリットとデメリットがあります。
 
メリットは当然、耐震性の向上です。SE構法の場合は認定施工会社と認定施工管理士、認定設計者による設計と施工により耐震性を保証します。他社も同様に性能を発揮するために様々な工夫をしています。
デメリットは構造部分のコスト高でしょうか。SE構法の場合は一般的な在来工法に比べて1.5倍以上のコスト高となります。また、リフォームの際にも同構法による必要性があります。SE構法の場合は認定施工会社が多くあるため、リフォームを依頼できる会社も比較的自由に選ぶことができますが、在来工法と比べるとやはり自由度に制約が生じるように感じています。
 

ちなみに木造在来工法でも耐震性の高い住まいを造ることは可能で、小生宅も木造在来工法の3階建てで耐震等級は3を確保しています。
オリジナル工法については優れた点と工事費、メンテナンス性、リフォームの仕方など、総合的に判断して決める必要があると思います。
 
<オリジナル工法の防水について>
ベランダや屋上の防水もオプションで特殊な金属防水を採用できるそうです。防火性と耐久性が売りであると説明を受けたそうですが、木造住宅の防水で一般的に普及しているのはFRP防水やウレタン塗布防水です。

FRP防水の場合は、下地の合板やセメント板にプライマー(下地とFRPの馴染みをよくする塗布剤)を塗り、ガラス繊維の補強材を敷設した上からプラスチック樹脂を塗布していきます。小型船から大型の掃海艇に採用されていることから、強靭であることは想像が付くと思います。信頼性が高く施工できる会社も多くあり、比較的安価な防水です
 
金属防水は採用を検討したことがありますが、デメリットも考える必要があります。
まずはやはりコスト高でしょう。メンテナンスでもFRP防水の方が優れていると考えています。FRP防水の場合は施工会社も多く、防水自体が割れたりした場合は目視で簡単に発見でき上から塗り増しすることで改修可能ですが、金属防水の場合は漏水箇所の特定が困難な場合があり、上から簡単に塗って改修するという処置は出来ません。屋上のプランが複雑な形の場合もあまり向きません。
  広く普及しているのには理由があります。汎用性が高くメンテナンスしやすい工法は、優れた点が多くメリットも多いと思います。
 
  <オリジナルキッチンについて>
キッチンは某メーカーを採用し、扉の面材についてはそのハウスメーカーのオリジナル色(4色)を採用しているそうです。
建て主さんが気に入ればとても良いことですが、どちらかといえばハウスメーカー側のメリットが多い(オリジナル性のアピール、大量発注によるコスト減、選定すべき色の種類(通常は数十種類あります)を減らせることでコーディネートしやすい)ように感じます・・・。
 
  <坪単価について> 
そのハウスメーカーのショールームの建築費を坪単価で計算すると70万円だそうです。建築費を聞く場合は、坪単価の他に建物の単価を算出するために根拠となった建物の施工床面積と工事費総額を聞いてください。
坪単価70万円には建物本体の工事費しか入っていない可能性があります。実際には下記のような費用も掛かり、それは当然建て主さんが工事費として負担することになります。後で予算的なトラブルにならないようしっかり確認する必要があります。
 
◆ 仮設費 ⇒ 足場、仮設トイレ、廃材処分、
      引渡し時のクリーニングなど。
◆ 設備費 ⇒ エアコン、照明等、後から設置
      できるものは別途工事の場合が
      あります。
◆ ガス、給排水設備、電気の引き込み等、
  屋外部分は調査後別途見積・請求の場合が
  あります。
◆ カーテン、ブラインド等の設置費
◆ 杭 ⇒ 地盤条件により杭が必要な場合が
    あります。
◆ オプション工事
    ⇒ 網戸、シャッター等は 通常サッシ(窓)と
    一体 のものです。
      床のコーティング他、特殊工事などは
    無いか確認しましょう。
     (ちなみに無垢フローリングの場合は
    上記コーティングは必要無し)
◆ 建物登記費用
    ⇒ ローン手続きに関連し、 建物の登記費用が
    かかります。※1 ※3
◆ 測量費 ⇒ 測量図が無い場合は敷地の現況測量を
      行います。※2 ※3
◆ 設計費 ⇒ ハウスメーカーでも設計費がかかり
      ます。※3
◆ 調査・プランニング費用
      ⇒ 敷地調査、プランニングに数十万円の
      費用が掛る事があります。※3
◆ 外構費 ⇒ 敷地周囲の塀やアプローチのコンクリ
      ート、砂利敷工事など。※3
 
※1 提携している土地家屋調査士による場合が多く、割高なケースがあります。
※2 通常30坪程度の敷地で見通しがよければ10~15万円程度ですが、手数料を上乗せし倍程度の請求があることあります。
※3 建物の坪単価に参入する必要はありませんが、別途かかるものです。
 
余談ですが、エレベーターを設置予定だそうです。プランを見ると幅・奥行共に1.82mとなっていました。以前手がけた住宅と同じサイズのエレベーターなので、幅・奥行共に1.5mで済むはずです。
ハウスメーカーそれぞれに規格があるので細かい寸法調整が出来ないのかもしれませんが、狭い廊下やホールを30cm広くできればだいぶ印象が違うと思います。寸法調整できないか確認してもらうことにしました。
  
2017.06.26