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 土地探しについて

 
まずは土地探し。
設計に先立ち土地探しを依頼されると知人の不動産屋に依頼して探してもらいます。依頼主の要望を伝えていくつか紹介してもらうのですが、『これだ』という土地にはなかなか巡り会えません。
条件(土地の広さ・駅からの距離・予算等)は伝えられても、地域のイメージ(おしゃれな街・静かな住宅街等)までは思いを共有しづらいものです。
また、手頃で良い土地は直ぐに売れてしまいます。交渉のスピードが命というか、土地探しをしている人本人が直接探し、直接交渉するぐらいでないと他の人に買われてしまうのです。
そのような経験から最近は不動産屋さんやファイナンシャルプランナーを紹介し、依頼主自身で土地探しをしてもらいます。手頃な土地が出たら小生も立会い、現地の確認をします。
 
最近竣工した『古和釜の家』は、道路は南西側に面しており幅員も6mと広い割に通り抜ける車が少なく良い敷地でした。
元の地主が節税対策で半壊しているような建物を解体しないまま残しており雑草が繁茂していた有様でしたが、空家に対する法律が改正されたこともあり土地を売るに至ったようでした。駅から離れているため割安でした。
うまいタイミングで話ができたので、当初提示された額のまま解体費も込みで購入できました。

 
依頼主が気に入った土地でも問題がある時には率直に指摘させてもらいます。
・古い擁壁があり、造り直す費用は1mあたり10万円(高さにもよります)とすると
 他と比べて150万円余分にかかる。
・低い地域にある土地で地下水位が高く、地盤の強度に問題がある。
・崖地ならではの設計で面白くなるのでは?

  →もちろん面白い設計は可能だが、昨今の大雨で崩壊する例がみられることもあり。
   崖地ではなく緩い坂道に面する敷地で崖地のような眺望を提案。

逆に依頼主が駅から離れているうえに不整形という理由で除外していた土地が、再検討の結果
・徒歩圏内に商店街があり静かなため子育てに向いている。
・陽当りが悪い代わりに土地代が安かった。その分建物により多くの費用がかけられる。
・設計を工夫すれば明るい住まいになることが分かった。
・土地の形は不整形でも、設計段階で工夫すればよい住まいに。
などの理由で購入するにいたるケースもありました。

土地探しは根気のいることで、タイミングにも左右されます。
自分でどんどん動くことが大切だと思います。

 
2016.07.14