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換気の種類(第1種換気は本当に必要?)

 
建築相談サイトの質問に回答することがあります。今回は換気について。
換気は『給気』と『排気』の両方を機械で強制的に行う第1種換気、
『給気』のみを機械で強制的に行う第2種換気、
『排気』のみ機械で強制的に行う第3種換気の3種類があります。
どれが良いのか?ハウスメーカーは第1種を勧めるようですが、当方は下記の理由から第3種換気で良いと考えています。
 
① 余計な費用をかけなくても排気だけで充分換気ができる
② 設備による換気が本当に必要な時期は主にエアコンを使う冬と夏
③ シックハウスによる換気規制が始まり15年経過。害の少ない材料の開発が進んだ
④ 換気の目的のひとつはウイルス除去
⑤ 普通に建てても相当の気密化が確保できるので換気扇だけでも計画換気ができる
 
上記の①から⑤について詳しくお話します。
 
まずは①余計な費用をかけなくても排気だけで充分換気ができる、について。
最近の住宅は普通に建てるだけでもそれなりの気密性が確保できます。なぜ気密性が確保できるかはでお話しますが、気密性が確保されれば隙間風が減り、給気口という穴から計画的に外気を取り込むことが可能となります。
小生の場合、湿気た外気を取り込んでしまうとカビの原因となるので、吸気口は比較的乾燥状態にある建物の南側の外壁に設けます。そして換気扇は空気が汚染する便所や浴室、納戸などに設置します。
これらの部屋のいくつかは南側以外にあります。結果的に南側から新鮮な乾いた空気を取り込み、建物内の汚れた空気を換気扇のある部屋まで運んで排気することが可能となります。
換気扇は空気が流れるルートや建物の大きさを考慮して能力を決めますが、エアコンで快適になった室内環境を悪化させない程度の能力(強すぎない)となるようにしています。
30坪程度の住宅であれば、小型で能力の低い換気扇3台程度で基準がクリアできます。具体的にいうと1階浴室、便所、2階寝室のクローゼットといった感じです。シンプルで安価ですよね。
 
設備による換気が本当に必要な時期は主にエアコンを使う冬と夏、について。
タイトルのとおりです。春と秋はエアコンや床暖房などの設備に頼ることなく、窓を開けて風を通すことで快適に過ごすことができます。
小生はあまり我慢しないようにしていますが、それでも4月~6月、10月中旬~11月末と、1年のうちの4ヶ月半はエアコンや床暖房を使いません。
この間は窓を開けて換気し室温の調整をしますので、換気扇に頼る必要はありません。ちなみに調理中の換気は適時行います。
 
③シックハウスによる換気規制が始まり15年経過。害の少ない材料の開発が進んだ、について。
15年前に規制が始まると、あっという間に規制対象の建材が姿を消しました。ホルムアルデヒドのような主な規制物質が含まれる建材はほとんど見なくなったほどです。
ただ健康を害する物質は他にもあり油断は出来ませんが、健康思考が進み有害物質を含む建材が減ったことは事実です。
 
④換気の目的のひとつはウイルス除去、について。
これもタイトルのとおりです。特に冬のインフルエンザの時期はウイルス除去が重要となります。1種換気の場合に熱交換器(全熱交換器または顕熱交換器)を用いることがあります。
気を付けなければならないことは、顕熱交換器を使用しないとウイルスの除去が出来ないということです。熱交換器での熱交換率は5~8割と言われています。今日ではエアコンの効率がかなり向上したことで、熱交換器の電力を考慮する必要性が薄れたように感じています。
また熱交換器の構造内やダクトに付着するカビやホコリを考慮すると、メリットがあまり感じられません。
 
⑤普通に建てても相当の気密化が確保できるので換気扇だけでも計画換気ができる、について。
一般的な建売住宅をみていると、断熱材はビニールでラッピングされたグラスウールです。どこもきちんと隙間なく貼っているようです。そこに内装下地の石膏ボードを張り、隙間をパテで埋めて壁紙をきれいに貼っています。
外部は透湿防水シートを張り、窓にはテープを張り水が入らないようにしています。丁寧な場合は透湿防水シートの下に耐震用の合板を張っています。これだけでも相当の気密性が確保できます。
ちなみに20年前の住宅の気密性能(建物の1c㎡あたりのすきま面積。小さいほど気密性が高い)は在来工法で9c㎡/㎡でしたが、現在は気密施工していなくても5c㎡/㎡、2×4工法では2c㎡/㎡と言われています。細部まで丁寧な断熱施工、窓や配管周りの気密防水テープ貼り、耐震のための外壁下地ボード張りなどにより5~2c㎡/㎡の気密性は確保出来るということになります。
ちなみに住宅表示制度の基準で千葉県は5c㎡/㎡となっています。
 
他社との差別化をアピールするための性能アップは不要です。
当方では趣味の音楽室など、防音と共に強制的な空気の入れ替えが必要な場合は第1種換気を採用することもありますが、すべての住宅で採用する必要は無いと考えています。
建て主さんの要望や住まい方に合わせた換気計画を提案すべきです。
 

2018.06.11

換気の種類
(第1種換気は本当に必要?)


建築相談サイトの質問に回答することがあります。今回は換気について。
換気は
『給気』と『排気』の両方を機械で強制的に行う第1種換気、
『給気』のみを機械で強制的に行う第2種換気、
『排気』のみ機械で強制的に行う第3種換気の
3種類があります。
どれが良いのか?ハウスメーカーは第1種を勧めるようですが、当方は下記の理由から第3種換気で良いと考えています。
 
① 余計な費用をかけなくても排気だけで充分換気ができる
② 設備による換気が本当に必要な時期は主にエアコンを使う冬と夏
③ シックハウスによる換気規制が始まり15年経過。害の少ない材料の開発が進んだ
④ 換気の目的のひとつはウイルス除去
⑤ 普通に建てても相当の気密化が確保できるので換気扇だけでも計画換気ができる
 
上記の①から⑤について詳しくお話します。
 
まずは①余計な費用をかけなくても排気だけで充分換気ができる、について。
最近の住宅は普通に建てるだけでもそれなりの気密性が確保できます。なぜ気密性が確保できるかはでお話しますが、気密性が確保されれば隙間風が減り、給気口という穴から計画的に外気を取り込むことが可能となります。
小生の場合、湿気た外気を取り込んでしまうとカビの原因となるので、吸気口は比較的乾燥状態にある建物の南側の外壁に設けます。そして換気扇は空気が汚染する便所や浴室、納戸などに設置します。
これらの部屋のいくつかは南側以外にあります。結果的に南側から新鮮な乾いた空気を取り込み、建物内の汚れた空気を換気扇のある部屋まで運んで排気することが可能となります。
換気扇は空気が流れるルートや建物の大きさを考慮して能力を決めますが、エアコンで快適になった室内環境を悪化させない程度の能力(強すぎない)となるようにしています。
30坪程度の住宅であれば、小型で能力の低い換気扇3台程度で基準がクリアできます。具体的にいうと1階浴室、便所、2階寝室のクローゼットといった感じです。シンプルで安価ですよね。
 
設備による換気が本当に必要な時期は主にエアコンを使う冬と夏、について。
タイトルのとおりです。春と秋はエアコンや床暖房などの設備に頼ることなく、窓を開けて風を通すことで快適に過ごすことができます。
小生はあまり我慢しないようにしていますが、それでも4月~6月、10月中旬~11月末と、1年のうちの4ヶ月半はエアコンや床暖房を使いません。
この間は窓を開けて換気し室温の調整をしますので、換気扇に頼る必要はありません。ちなみに調理中の換気は適時行います。
 
③シックハウスによる換気規制が始まり15年経過。害の少ない材料の開発が進んだ、について。
15年前に規制が始まると、あっという間に規制対象の建材が姿を消しました。ホルムアルデヒドのような主な規制物質が含まれる建材はほとんど見なくなったほどです。
ただ健康を害する物質は他にもあり油断は出来ませんが、健康思考が進み有害物質を含む建材が減ったことは事実です。
 
④換気の目的のひとつはウイルス除去、について。
これもタイトルのとおりです。特に冬のインフルエンザの時期はウイルス除去が重要となります。1種換気の場合に熱交換器(全熱交換器または顕熱交換器)を用いることがあります。
気を付けなければならないことは、顕熱交換器を使用しないとウイルスの除去が出来ないということです。熱交換器での熱交換率は5~8割と言われています。今日ではエアコンの効率がかなり向上したことで、熱交換器の電力を考慮する必要性が薄れたように感じています。
また熱交換器の構造内やダクトに付着するカビやホコリを考慮すると、メリットがあまり感じられません。
 
⑤普通に建てても相当の気密化が確保できるので換気扇だけでも計画換気ができる、について。
一般的な建売住宅をみていると、断熱材はビニールでラッピングされたグラスウールです。どこもきちんと隙間なく貼っているようです。そこに内装下地の石膏ボードを張り、隙間をパテで埋めて壁紙をきれいに貼っています。
外部は透湿防水シートを張り、窓にはテープを張り水が入らないようにしています。丁寧な場合は透湿防水シートの下に耐震用の合板を張っています。これだけでも相当の気密性が確保できます。
ちなみに20年前の住宅の気密性能(建物の1c㎡あたりのすきま面積。小さいほど気密性が高い)は在来工法で9c㎡/㎡でしたが、現在は気密施工していなくても5c㎡/㎡、2×4工法では2c㎡/㎡と言われています。細部まで丁寧な断熱施工、窓や配管周りの気密防水テープ貼り、耐震のための外壁下地ボード張りなどにより5~2c㎡/㎡の気密性は確保出来るということになります。
ちなみに住宅表示制度の基準で千葉県は5c㎡/㎡となっています。
 
他社との差別化をアピールするための性能アップは不要です。
当方では趣味の音楽室など、防音と共に強制的な空気の入れ替えが必要な場合は第1種換気を採用することもありますが、すべての住宅で採用する必要は無いと考えています。
建て主さんの要望や住まい方に合わせた換気計画を提案すべきです。
 

2018.06.11