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 耐震改修の依頼から引き渡しまで

 
今回は耐震改修を依頼されてから引渡しまで、依頼主さんからの要望や実際に解体を始めて見てから発覚した問題とそれをどう解決したかなど、耐震改修を検討されている方の参考になりそうなことを紹介したいと思います。
 
依頼主は小生の友人のお母さんです。これまでに2度、リフォームの依頼を受けています
1回目では、2部屋に分かれていた小さな食堂と応接室をダイニングキッチンにしました。2つの部屋を隔てていた壁を取り除き、補強をしながら断熱改修もしました。
2回目は、4畳半の和室の天井を取り除きロフトをつくりながら板の間にする工事です。1回目と同様に耐震補強と断熱改修もしていますが、部分的な補強のため建物全体のバランスについては検討されていません。
3回目の今回はどのような要望があったのか、具体的な要望を下に列記し詳しく解説したいと思います。
 
 
. 建物全体の耐震改修について
 
依頼を受け、まず耐震診断をした結果、耐震性は必要耐力の20%程度であることが判明しました。これを『地震が来てもとりあえず安心』というレベルである150%にするには、現状の全ての壁を補強しても間に合いませんでした。
耐震壁を増やすために柱を3本追加し、二間続きの和室と南北2箇所ある廊下の間に新たに壁を設けることにしました。
採用した補強方法は壁(柱と柱の間)を合板で固めていくというものです。強度は柱の間隔によって異なるので現状に合わせて効率よく計画し、構造計算にて安全を確かめています。
 
 
 

 
 
. 建物全体の断熱改修について
 
古い住宅では一般的な断熱材が充填されていない仕様で、隙間も多く室内側の壁をはがすと所々外からの光が見える状態でした。今回は外壁に面した壁の室内部分をはがしてから補強用合板を張る耐震工法を採用しているので、作業の流れの中で効率的に断熱材を充填でき予算を抑えることが出来ました。
また、生活の場である1階により多くの費用をかけたいと考え、物置である2階の断熱は省いています。そのため1階の天井裏にも断熱材を充填し、2階への階段の登り口に扉も設置しました。もちろん階段と1階の間の壁にも断熱材を充填しています。
断熱改修では出来れば全ての窓を断熱性の高いものに交換したいところですが、予算を抑えるために特に大きな南側の窓(幅3.6 m)2本のみを交換することにしました。
小さな窓からは逃げていく熱も全体から見れば少ないのでカーテンを付けることで良しということにしたわけです。
今後生活してみて必要な部分があれば窓枠はそのままに、ガラスだけを断熱製の高いペアガラスに交換することにしています。
 
 
. 変形していた使いにくい浴室の改修について
 
長方形の一部がくびれたような形の浴室でした。調査の結果、くびれた部分にあった柱を撤去しても構造的に問題ないことが分かり、長方形の浴室にすることができました。
古い建物には多いのですが、浴槽や洗い場の下はコンクリートではなく土のままでした。解体前に分かっていたので、シロアリ対策も兼ねて新たに基礎を打設し、湿気対策をした上で1 cm間隔のサイズ調整が可能なユニットバスを設置し、最大限浴室を広げることが出来ました。
 
 
. 床のバリアフリー化
 
畳敷の住まいでしたが、床下地の板は波打つような状態でした。
下地板を全て撤去し、不陸(凸凹)を調整した後に床下に断熱材を充填しながらヒノキ板を張っていきました。
 
 
 
. 予算は600万円程度まで
 
耐震補強だけであれば200万円以内でも出来るのでが、補強していない部分はそのままでも良いということが前提条件となります。もちろん前例はあり、それなりに仕上げてきていますが今回は断熱改修、バリアフリー工事、浴室の改修と大掛かりになります。それなりの費用がかかると見込まれたため、当初から600万円の予算を想定してようです。
ところが改修部分の面積は35坪(116㎡)あり、施工単価は解体費を含めて1坪辺り17万円です。ローコスト住宅と呼ばれているもので単価が1坪あたり45万円程度であることを考えると予算不足ということになります。
そのような場合の方法は2つです。施工面積を減らすか、費用を追加していただくか・・・。
要望を全て聞き入れ設計を進め、いきなり600万円を大きく超える見積もりを提出してしまうと信頼を失ってしまいます。工事の内容、これまでに行った同様の改修工事の実績(費用や仕様)を説明した結果、工事費を800~850万円程度まで増額して要望通りの工事をしたいということになりました。
その場合の施工単価は1坪辺り24万円です。厳しいことに変わりはありませんでしたが、物置である2階は耐震改修後の仕上げを省く(補強合板表しとしました)、過去に改修した部分(9坪・30㎡)は追加的な耐震改修と復旧工事(電気、空調設備改修を含む)に留めるなど、建て主さんの要望と現状に合わせた提案をして、無事予算内の提案をすることが出来ました。
 
 

 
2017.10.27

耐震改修の依頼から引き渡しまで


今回は耐震改修を依頼されてから引渡しまで、依頼主さんからの要望や実際に解体を始めて見てから発覚した問題とそれをどう解決したかなど、耐震改修を検討されている方の参考になりそうなことを紹介したいと思います。
 
依頼主は小生の友人のお母さんです。これまでに2度、リフォームの依頼を受けています
1回目では、2部屋に分かれていた小さな食堂と応接室をダイニングキッチンにしました。2つの部屋を隔てていた壁を取り除き、補強をしながら断熱改修もしました。
2回目は、4畳半の和室の天井を取り除きロフトをつくりながら板の間にする工事です。1回目と同様に耐震補強と断熱改修もしていますが、部分的な補強のため建物全体のバランスについては検討されていません。
3回目の今回はどのような要望があったのか、具体的な要望を下に列記し詳しく解説したいと思います。
 
 
. 建物全体の耐震改修について
 
依頼を受け、まず耐震診断をした結果、耐震性は必要耐力の20%程度であることが判明しました。これを『地震が来てもとりあえず安心』というレベルである150%にするには、現状の全ての壁を補強しても間に合いませんでした。
耐震壁を増やすために柱を3本追加し、二間続きの和室と南北2箇所ある廊下の間に新たに壁を設けることにしました。
採用した補強方法は壁(柱と柱の間)を合板で固めていくというものです。強度は柱の間隔によって異なるので現状に合わせて効率よく計画し、構造計算にて安全を確かめています。
 
 
 

 
 
. 建物全体の断熱改修について
 
古い住宅では一般的な断熱材が充填されていない仕様で、隙間も多く室内側の壁をはがすと所々外からの光が見える状態でした。今回は外壁に面した壁の室内部分をはがしてから補強用合板を張る耐震工法を採用しているので、作業の流れの中で効率的に断熱材を充填でき予算を抑えることが出来ました。
また、生活の場である1階により多くの費用をかけたいと考え、物置である2階の断熱は省いています。そのため1階の天井裏にも断熱材を充填し、2階への階段の登り口に扉も設置しました。もちろん階段と1階の間の壁にも断熱材を充填しています。
断熱改修では出来れば全ての窓を断熱性の高いものに交換したいところですが、予算を抑えるために特に大きな南側の窓(幅3.6m)2本のみを交換することにしました。
小さな窓からは逃げていく熱も全体から見れば少ないのでカーテンを付けることで良しということにしたわけです。
今後生活してみて必要な部分があれば窓枠はそのままに、ガラスだけを断熱製の高いペアガラスに交換することにしています。
 
 
. 変形していた使いにくい浴室の改修について
 
長方形の一部がくびれたような形の浴室でした。調査の結果、くびれた部分にあった柱を撤去しても構造的に問題ないことが分かり、長方形の浴室にすることができました。
古い建物には多いのですが、浴槽や洗い場の下はコンクリートではなく土のままでした。解体前に分かっていたので、シロアリ対策も兼ねて新たに基礎を打設し、湿気対策をした上で1cm間隔のサイズ調整が可能なユニットバスを設置し、最大限浴室を広げることが出来ました。
 
 
. 床のバリアフリー化
 
畳敷の住まいでしたが、床下地の板は波打つような状態でした。
下地板を全て撤去し、不陸(凸凹)を調整した後に床下に断熱材を充填しながらヒノキ板を張っていきました。
 
 
 
. 予算は600万円程度まで
 
耐震補強だけであれば200万円以内でも出来るのでが、補強していない部分はそのままでも良いということが前提条件となります。もちろん前例はあり、それなりに仕上げてきていますが今回は断熱改修、バリアフリー工事、浴室の改修と大掛かりになります。それなりの費用がかかると見込まれたため、当初から600万円の予算を想定してようです。
ところが改修部分の面積は35坪(116㎡)あり、施工単価は解体費を含めて1坪辺り17万円です。ローコスト住宅と呼ばれているもので単価が1坪あたり45万円程度であることを考えると予算不足ということになります。
そのような場合の方法は2つです。施工面積を減らすか、費用を追加していただくか・・・。
要望を全て聞き入れ設計を進め、いきなり600万円を大きく超える見積もりを提出してしまうと信頼を失ってしまいます。工事の内容、これまでに行った同様の改修工事の実績(費用や仕様)を説明した結果、工事費を800~850万円程度まで増額して要望通りの工事をしたいということになりました。
その場合の施工単価は1坪辺り24万円です。厳しいことに変わりはありませんでしたが、物置である2階は耐震改修後の仕上げを省く(補強合板表しとしました)、過去に改修した部分(9坪・30㎡)は追加的な耐震改修と復旧工事(電気、空調設備改修を含む)に留めるなど、建て主さんの要望と現状に合わせた提案をして、無事予算内の提案をすることが出来ました。
 
 

 
2017.10.27