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 無垢フローリングの話(2)

 
前回に引き続き、フローリングの話です。
無垢のフローリングは大きく分けると2種類の樹種、繋ぎ方があります。
樹種は針葉樹と落葉樹。針葉樹で多いのは『ヒノキ』と『杉』でしょう。針葉樹はどちらかというと
柔らかく傷つきやすいですが、塗装していないものは表面に空隙が多く温かく感じます。

(杉)

他にも『サワラ』『松』他たくさんありますが、日本では前述の2種が多く植林されています。一般的にヒノキの方が丈夫で、水にも強く、独特なニオイもあります。
杉は若干柔らかく、すこし甘い匂いがします。匂いの好みはありますが、小生は杉も好きです。水にも弱くはないので浴室の壁として『小さな家』に使ったこともあります。建築後6年が経ちますが、手入れが良くまだきれいです。
工務店ごとに付き合う材木屋さんが違い、ある工務店では吉野産のヒノキを比較的安価に入手出来たりします。

落葉樹で多いのは『ナラ』です。

(ナラ)

他にも『チーク』『クリ』『サクラ』『ウォールナット』など。

(チーク)

針葉樹に比べてどれも堅く、木の密度が高いため冷たく感じます。国産は少なく輸入物が多いです。
 
小生は和風の住まいには白身の美しい針葉樹の『ヒノキ』や『杉』を採用しています。
モダンな感じの住まいにはカジュアルな雰囲気が創れる落葉樹の『ナラ』や落ち着いた雰囲気が創れる『チーク』を採用することが多いです。
これらのフローリングはいずれも艶のない自然系のオイルを塗るようにしています。
 
繋ぎ方は2種類。
1本が一枚の板で出来ているソリッドタイプと、1本が数枚の板でつながっているユニタイプ。
針葉樹は真っ直ぐな木が多いためソリッドタイが多く、落葉樹はユニタイプが多いのですが、若干高価なのもになるとソリッドタイプも用意されています。小生はコスト的な理由からユニタイプを採用することが多いです。
 
無垢のフローリングを張る場合は、大工さんとよく相談する必要があります。
通常はフローリングが伸びた時にお互いが押し合うことで盛り上がってしまわぬよう、若干の隙間を開けて張ってゆきます。隙間の開け方は様々で、梱包用のヒモを挟むことが多いようですが、大工さんの感を頼りに張っていく事もあります。
下地の合板に直接貼る場合は、フローリングの裏全体に接着剤を塗れますので隙間の空け方にそれほど敏感になる必要はありませんが、根太という角材(45cm程度の間隔を空けて設置)に貼る場合は、フローリングの裏全体に接着剤を塗れないので丁寧に隙間を調整する必要があります。針葉樹と落葉樹でも違う癖があるのでやはり経験と調整が必要です。
ちなみに針葉樹は素直な木なのですが、施工後の縮が大きいのでぴったりくっつけて張っても問題ありません。落葉樹の場合は伸び縮が大きく、力も強いので(木が乾燥収縮している冬には特に)微細な隙間をしっかり空ける必要があります。
木の性質を理解した上で施工することが大切です。参考にしてください。

次回は、コストダウンの方法についてお話しする予定です。
 
2016.08.04