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 監理のやりとり(2)

 
前回に引き続き、監理について。
今回は見えない部分を中心に紹介します。
 
基礎工事
 
◆ 入手した敷地図と現状に差異があることが判明。
⇒ 斜線制限など法的に重要な部分の寸法確保を優先。一部狭くなる部分があっても、施工上・法規上の問題はないことを確認。
 
◆ 基礎に直接断熱材を打ち込む工法(基礎断熱)を採用。
⇒ あらかじめ樹脂製の断熱材を型枠に付けておくことで、基礎コンクリートと一体となり断熱効果の向上が見込めます。断熱材の設置時期を再確認。
 

 
◆ 排水管など基礎を貫通する配管は将来交換する可能性があります。
⇒ 一回り太い管を打ち込んでおき、そこに排水管などを通すよう確認。
 
◆ 地震時に柱の浮きを抑える構造用の金物を設置する際、普通に付けてしまうと仕上がり面に出てきてしまうものが数本あることがわかっていました。
⇒ 基礎の中心からずらすことで壁の中に隠せるので位置を確認。
 
◆ 打ち放し仕上げの箇所があるのでパネル割をする必要がある。
⇒ 製作図を依頼。
 
◆ 中庭の基礎立ち上がり部分に雨が溜まらないように雨水の排水管を設置する必要がありました。
⇒ 現場にて確認し、目立たない位置に移動。
 
◆ 中庭の広さよりも駐車スペースを設計当初よりも余裕を持たせたほうが良いと判断。
⇒ 中庭を若干せまくするよう設計変更。
 
◆ 玄関ポーチの基礎立ち上がりを一部下げることで外壁の汚れを防ぐ設計をしていていた。
⇒ 設計以上に下げないと効果が希薄なことに気がつき、更に5 cm程度低くするよう依頼。
 

 
◆ 当たり前の事ではありますが、根切り(掘削)した後の地盤の転圧(突き固め)を入念に行うこと。
 
◆ 防湿のフィルムは鉄筋で傷がつかないよう、捨てコンクリート打設前に敷設する。
 
◆ 屋根板金が納まりにくい箇所がある。
⇒ 事前に作業手順や納め方・防水シートの仕様など確認。
 
 
構造部分
 
◆ 筋交いの中央部や間柱に取り合う部分をビスで固定することで地震時に筋交いがたわみ、折れることを軽減できることが知られています。
⇒ ビスで固定することを依頼。
 
◆ 梁をつなぐ際に梁の上部に大きな彫り込みをして固定する方法がありますが、構造耐力上はどうしても避けたい部分もある。
⇒ 加工図にて指示。
 
◆ 構造部分を現し(仕上げ)にする部位は表面加工の必要があります。
⇒ 図面にて指示。
 
◆ 工務店オリジナルの特殊な金物で見せながら梁を固定できること提案されました。
⇒ 数箇所で使用してもらえるようお願いする。
 
◆ 梁を化粧で見せたいため、壁の厚さ分梁を横にずらす必要がありました。
⇒ 図面にて指示しているが、間違えのないよう加工図を作成。
 
 
設備工事
 
◆ エアコン配管で隠蔽する部分と外部に露出させる部分があります。
⇒ 図面には記載されていますが、具体的な配管ルートは現場にて再確認します。
 
◆ 電話・LAN配管などの仕方、ルートは図面に記載してありますが、現場ごとに建て主さんに再確認し現場にて電気屋さんに説明・確認をします。
 
◆ 照明器具の位置は図面に記載してありますが、配線の際に実際にその場に立ち適切であるか再確認します。
 
◆ 梁や垂木(屋根下地)に直接照明器具を設置する箇所があり、どの時点で配線するか位置に間違えはないかなど再確認。
 

 
設計者と施工者のミスは減らせてもゼロにすることは難しいことです。監理は施工者が図面通りの工事を行っているか確認することも大切ですが、さらに踏み込んで現場にて現状を把握し複数の目で確認することで早期にミスに気がついたり、もっとよくなる新たなアイデアがひらめいたりと、図面以上の建物を引き渡すために行っています。
 
 
2017.02.17