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『コストを抑えつつも暖かく自然素材いっぱいの住まい』


設計事務所が設計する家は高いというイメ-ジがあります。この住まいは予算を抑えたなかでも『暖かく』『耐震性の高い』『屋上がある』『自然素材いっぱい』の『デザインされた住まい』にしたいと相談を受け、引き受けることになりました。
ここでは工事費についてお話ししたいと思います。コストアップの要素は次のようなものがあります。
 
◆見えない部分もきちんと◆
完成してからでは分からない(見えない)部分にも手をかけなければ長く安心して住める良い住まいにはなりません。たとえば、耐震部材、断熱材、壁や屋根の通気、防水下処理、丁寧な施工など・・・。実はこの部分にかかる費用、結構多いです。
しかしこれらはコストダウンのために省かれることがあり、残念ながら少なくありません。多少のコスト高につながったとしても、信頼して依頼してくれる建て主さんのためには省くことは出来ないのです。
※大切な部分は工事中に建て主さんにはもちろん、構造見学会として公開することもあります。
 
◆素材の価格が高い(金額は1㎡あたりの原価を記載)◆
合板製のフローリングは3,000円以下で仕入れられますが、無垢のフローリングは安いものでも4,000円近い金額になります。
床面積100㎡の住まいの場合は、およそ80㎡のフローリングを使用します。1㎡1,000円の違いでも8万円の差額となります。
壁をクロス貼りとした場合、安いものであれば貼り手間を合わせても900円程度です。左官仕上げとすると3,000円近くになります。
床面積100㎡程度の住まいの場合は、およそ250㎡程度の壁面積となり52万5,000円の差額となります。
※当事務所の場合、金額は全て原価表示となります。
 
◆手間がかかる◆
合板製のフローリングは畳1枚分の広さに3枚の板を張れば完了ですが、無垢のフローリングで幅が75 mmだった場合は11~12枚のフローリングが必要で、4倍の手間がかかることになります。
既製品の扉を付けるのはダンボールから木の枠を取り出して組み立てて設置すれば良いのですが、制作物の扉の場合は材木を発注し作業場で加工し現場で組み立てた後、建具屋さんが採寸し作業場で加工組立した後に現場にて建て付け調整をします。
数倍の手間がかかれば数倍の費用がかかります。
 
◆費用がかかるデザインがある◆
平面プランも正方形であれば100㎡の住宅の壁の長さは40 mですが、長方形の場合は長辺が15 mとなると短辺が6.65 mとなり、面積は99.75㎡と若干狭くなるにもかかわらず壁の長さは43.3 mと3.3 m長くなります。
もっと複雑なL型や中庭のあるコートハウスになると更に壁が長くなります。プランが複雑になると壁の長さ一つとっても長くなり、多くの費用がかかります。
デザイン性を統一した建付の家具を制作するとやはり費用がかかりますし、同じ家具も大工がつくるものと家具屋さんが造るものでは仕上がりや金額が違います。
 
◆別途工事が少ない◆
見積書額に含める費用の範囲によっても建物の総額が変わります。
門、塀や外構工事、照明器具、空調換気設備、屋外の給排水管工事、仮設(足場など)や経費(工事に関する施工会社の経費など)が含まれていなければ、住宅の工事として成り立ちません。
よく見受けるチラシに記載されている工事費をみると、前述の費用が別途工事とされている場合があります。
 
 
お分かりの通り、工事費が高くなるのにはきちんとした理由があり、安いものにはそれなりの理由があるのです。きちんとした性能を備えた住まいを建てるにはそれなりの費用がかかるのです。
「真間の家」は費用がかかっても採用するものと、費用を下げるために採用を断念するもののメリハリをつけることで実現した住まいです。
実際にどのような仕分けをしたのか紹介したいと思います。
 
 
『暖かく(断熱性の確保)』
ネオマホォームという発泡系の断熱材を採用した外張り断熱の住まいとしました。材料費、作業費ともに通常のグラスウールを採用した住まいよりも高いものとなりました。
 
『耐震性の高い(耐震性の確保)』
当事務所はビルなどの設計と同様の許容応力度設計による構造設計をしています。構造計算により安全を確かめた構造図を作成し、工事監理を確実に行うことで耐震性の高い住まいとなっています。
実際に工事の際は基礎と上部木構造をしっかり固定するための金物や建物の揺れに耐えるための筋交いが多くなりますが、高価なものではないのでコストアップについてはあまり影響はありません。
 
『屋上がある』
屋上に上がるための階段があるので、階段が2セットとなりました。屋上にはFRP防水をした上にウッドデッキも設置したため、コストアップの要因となりました。

屋上


『自然素材いっぱい』
無垢のフローリングを採用しましたが、比較的安価なナラのユニタイプ(1.8 mの長さの中で数枚のナラ材をつないだもの)にしました。扉も天然のナラ材の突き板を採用しましたが、ウォークインクローゼットや畳処には扉を付けず、収納扉は白いポリ合板を採用しコストを抑えました。
壁を左官仕上げにするのは断念しましたが、一部に吸放湿性の高い素焼きのタイルをアクセントとして採用しました。
天井もクロス張りですが、一部天然の針葉樹合板を採用したり梁を表しにするなどして木の雰囲気を演出しました。
浴室は壁にタイルとヒノキ、天井は全てヒノキ材となっています。

居間


『デザインされた住まい』
下駄箱、飾棚、2階洗面、キッチン背面収納、TV棚などは全て大工さんの手作り家具に建具屋さんが扉を付けています。
大工さんの手作りとし、シンプルなものになっているので費用を抑えることが出来ています。素材が統一され、家具の扉についても部屋の出入口との一体感があります。
検討を重ね整理できたので、少ないながらも収納については全て作り付けの家具とすることができました。
建物の形は概ね正方形ですが、玄関や2階ベランダなどは壁から凹めているので面積の軽減をしつつ機能的なものとなり、コストダウンにつながっています。

キッチン

『コストを抑えつつも暖かく自然素材いっぱいの住まい』


設計事務所が設計する家は高いというイメ-ジがあります。この住まいは予算を抑えたなかでも『暖かく』『耐震性の高い』『屋上がある』『自然素材いっぱい』の『デザインされた住まい』にしたいと相談を受け、引き受けることになりました。 ここでは工事費についてお話ししたいと思います。コストアップの要素は次のようなものがあります。
 
 
◆見えない部分もきちんと◆
完成してからでは分からない(見えない)部分にも手をかけなければ長く安心して住める良い住まいにはなりません。たとえば、耐震部材、断熱材、壁や屋根の通気、防水下処理、丁寧な施工など・・・。実はこの部分にかかる費用、結構多いです。 
しかしこれらはコストダウンのために省かれることがあり、残念ながら少なくありません。多少のコスト高につながったとしても、信頼して依頼してくれる建て主さんのためには省くことは出来ないのです。
※大切な部分は工事中に建て主さんにはもちろん、構造見学会として公開することもあります。
 
 
◆素材の価格が高い(金額は1㎡あたりの原価を記載)◆
合板製のフローリングは3,000円以下で仕入れられますが、無垢のフローリングは安いものでも4,000円近い金額になります。
床面積100㎡の住まいの場合は、およそ80㎡のフローリングを使用します。1㎡1,000円の違いでも8万円の差額となります。
壁をクロス貼りとした場合、安いものであれば貼り手間を合わせても900円程度です。左官仕上げとすると3,000円近くになります。
床面積100㎡程度の住まいの場合は、およそ250㎡程度の壁面積となり52万5,000円の差額となります。
 
◆手間がかかる◆
合板製のフローリングは畳1枚分の広さに3枚の板を張れば完了ですが、無垢のフローリングで幅が75mmだった場合は11~12枚のフローリングが必要で、4倍の手間がかかることになります。
既製品の扉を付けるのはダンボールから木の枠を取り出して組み立てて設置すれば良いのですが、制作物の扉の場合は材木を発注し作業場で加工し現場で組み立てた後、建具屋さんが採寸し作業場で加工組立した後に現場にて建て付け調整をします。
数倍の手間がかかれば数倍の費用がかかります。
 
◆費用がかかるデザインがある◆
平面プランも正方形であれば100㎡の住宅の壁の長さは40mですが、長方形の場合は長辺が15mとなると短辺が6.65mとなり、面積は99.75㎡と若干狭くなるにもかかわらず壁の長さは43.3mと3.3m長くなります。
もっと複雑なL型や中庭のあるコートハウスになると更に壁が長くなります。プランが複雑になると壁の長さ一つとっても長くなり、多くの費用がかかります。
デザイン性を統一した建付の家具を制作するとやはり費用がかかりますし、同じ家具も大工がつくるものと家具屋さんが造るものでは仕上がりや金額が違います。
 
◆別途工事が少ない◆
見積書額に含める費用の範囲によっても建物の総額が変わります。門、塀や外構工事、照明器具、空調換気設備、屋外の給排水管工事、仮設(足場など)や経費(工事に関する施工会社の経費など)が含まれていなければ、住宅の工事として成り立ちません。
よく見受けるチラシに記載されている工事費をみると、前述の費用が別途工事とされている場合があります。
 
お分かりの通り、工事費が高くなるのにはきちんとした理由があり、安いものにはそれなりの理由があるのです。きちんとした性能を備えた住まいを建てるにはそれなりの費用がかかるのです。 
「真間の家」は費用がかかっても採用するものと、費用を下げるために採用を断念するもののメリハリをつけることで実現した住まいです。
実際にどのような仕分けをしたのか紹介したいと思います。
 
   
『暖かく(断熱性の確保)』
ネオマホォームという発泡系の断熱材を採用した外張り断熱の住まいとしました。材料費、作業費ともに通常のグラスウールを採用した住まいよりも高いものとなりました。
 
『耐震性の高い(耐震性の確保)』
当事務所はビルなどの設計と同様の許容応力度設計による構造設計をしています。構造計算により安全を確かめた構造図を作成し、工事監理を確実に行うことで耐震性の高い住まいとなっています。
実際に工事の際は基礎と上部木構造をしっかり固定するための金物や建物の揺れに耐えるための筋交いが多くなりますが、高価なものではないのでコストアップについてはあまり影響はありません。
 
『屋上がある』
屋上に上がるための階段があるので、階段が2セットとなりました。屋上にはFRP防水をした上にウッドデッキも設置したため、コストアップの要因となりました。

屋上


『自然素材いっぱい』
無垢のフローリングを採用しましたが、比較的安価なナラのユニタイプ(1.8mの長さの中で数枚のナラ材をつないだもの)にしました。扉も天然のナラ材の突き板を採用しましたが、ウォークインクローゼットや畳処には扉を付けず、収納扉は白いポリ合板を採用しコストを抑えました。
壁を左官仕上げにするのは断念しましたが、一部に吸放湿性の高い素焼きのタイルをアクセントとして採用しました。
天井もクロス張りですが、一部天然の針葉樹合板を採用したり梁を表しにするなどして木の雰囲気を演出しました。
浴室は壁にタイルとヒノキ、天井は全てヒノキ材となっています。

居間


『デザインされた住まい』
下駄箱、飾棚、2階洗面、キッチン背面収納、TV棚などは全て大工さんの手作り家具に建具屋さんが扉を付けています。
大工さんの手作りとし、シンプルなものになっているので費用を抑えることが出来ています。素材が統一され、家具の扉についても部屋の出入口との一体感があります。
検討を重ね整理できたので、少ないながらも収納については全て作り付けの家具とすることができました。
建物の形は概ね正方形ですが、玄関や2階ベランダなどは壁から凹めているので面積の軽減をしつつ機能的なものとなり、コストダウンにつながっています。

キッチン